まず5Fの前に戦略を考える上でのベースを改めて見直してみましょう。
そもそも事業における戦略とは何か?
まず、戦略の定義ですがそもそも戦略とは戦争の目的を達成するための戦闘の用い方として認識された事が始まりと理解しています。これはクラウゼビッツ『 戦争論 』に初めて用いられた表現でという事実からそう思っています。
「 戦術とは戦闘における武力の使い方を意味し、戦略とは戦争の目的を達成するための戦闘の用い方である」
( クラウゼビッツ『戦争論』 )
戦争を現代における企業間競争のような意味合いで捕らえなおしてもいいのかなと・・・
しかし、最近考えていることは「戦略は「計画」されるものなのかそれとも「創発」するものなのか?」という点です。
日本企業には戦略がないとぶちまけたポーターですが、読んで字のごとく戦いを略す = 戦略『 戦略とは何をやるかではなく何をやらないかである 』という説明に対して、一方、戦略は「 実行されてはじめて意味がある 」というように優先順位をつけて何からどう着手するのか?というミンツバーグに代表される考え方もあります。 ( 著作:戦略サファリ参照 )
( 因みにミンツバーグはポーターと逆に日本企業の戦略は創発的であると表現しています ) 個人的にはホンダの米国での成功は合理的な戦略の帰結か?とつっこみたくもなりますが・・・
「 ひたすら一生懸命働くだけでは価値がない。間違ったやり方の勤勉は怠けるより悪い。一生懸命働く価値が出るのは、『よい理論 』があることが必要条件である 」と本田宗一郎さんも言っているように、戦略は計画的でもあり創発的要素も含んでおり目的や環境と経営資源に合わせてシナリオとシステムと蓄積すべき経営資源を選択すること!が = 戦略と現時点の戦略に対する自分の定義になります。
この場合、正しい選択を行わなければいけないのですが、ただ「正しい選択」がいつまでも正しいとは限らず正確に言うと「 正しく選択する事!」が重要になるのかもしれません。
そういう意味で「優先順位をつける・つける準備をする」ことは同意できます。
5Fなどの環境分析活動方法
ここで外部環境分析の一つである5Fが活きてきますが、同時にRBVの観点から経営資源 ( 資産・人・情報など )を分析する事が必要だと思います。例えば「低コストと差別化が矛盾しないためにはどういった条件が必要になるのか?」という視点を外部と内部の両方から見極めることです。
差別化が低コストに最もつながりやすいのは以下の代表的7点に集約できます。
① 企業の製品差別化能力が高い場合
② ライバル企業の製品に対する顧客のコミットメントが低い場合
③ 市場成長率が高い場合
④ 市場構造が多数乱立型(fragmented)の場合
⑤ 生産プロセスが新しく複雑な場合
⑥ 規模の経済(特に企業レベルで)が存在する場合
⑦ 範囲の経済が存在する場合
これらの条件をできるだけ多く充足している事が差別化は低コスト・ポジションを同時に実現するためのより有効な戦略になると結論を導くことができるでしょう。
5FよりもSWOTから打ち手を導く方法のほうが好きなんだけどなぁー。
てか、標題の件、答えてないけど長くなっちゃったからいっかw